FISH & SEAFOOD - 鮮魚


 メリカに住むオレの友達の日本人の殆どが「アメリカのマーケットより日本のマーケットの方が食品の管理がちゃんとしてる。」と言います。野菜や肉は店によって善し悪しですが、確かに魚の管理はムチャクチャ悪いです。昔、テレビで「マンハッタンのマーケットで扱っている70%の魚が科学的に腐っていた。」と言うニュースを見ましたが思わずテレビの前でウンウンとうなづいてしまいました。まぁ今はその頃よりましになりましたが、それでもまだ鮮魚売り場のアノ匂いはツライです。大きな都市に住んでいれば、魚だけを扱ってる信頼できる店やチャイナタウンにある魚屋もしくは大きな魚市場など新鮮な魚を買える所もありますが、普通の街では、どこで新鮮な魚が手に入るか探すのは難しいです。
 スーパーマーケットでも何軒か店を廻ってみると魚をちゃんと扱える人を見つける事も出来るんですが、結構知ったかぶりで嘘つきな人も多く、最終的にお世辞にも新鮮とは言えない魚を「ホレ、コレ買え!」などと鼻っつらに突き出されかねません。ちゃんと魚について知ってる人を探すのに時間と手間が掛かります。一番手っ取り早いのは電話帳でFISH DISTORIBUTER(フィッシュディストリビューター)を探し出して、直接そこから魚を買う事が出来るか聞いてみる事です。彼等は仲買人なので、一般の人には魚を売らない人が多いですが、店を持っている人もいるので、そこから新鮮な魚を買えるかもしれません。
 もしも「店も持ってねぇしオマエに魚を売る気もねぇ!」と言われたらドコの店に何曜日に定期配達しているか尋ねてみて下さい。大抵その位の事は教えてくれます。何軒かフィッシュディストリビューターに電話すれば自分の家から一番近いスーパーマーケットの魚売り場の情報が得られる筈です。
 海の近くに住んでいる人は釣船屋を探して見るのも手です。港に戻ってきた乗り合い釣船の船長に「魚、売ってくれ!」と尋ねてみて下さい。オレの経験からすると、機嫌が悪くない限り市場より安い値段で釣れたての魚を売ってくれます。





SALTWATER FISH  海水魚



 
 AMBER JACK (アンバージャック)
ブリ、ハマチの種類で、YELLOWTAIL(イエローテール)と云う名でも呼ばれます。アメリカ本土のスーパーマーケットではあまり扱ってませんが、ハワイの魚屋や、大きな都市の日本料理屋に魚を卸す店などで扱われています。和英の辞書などでハマチを調べるとイエローテイルと載ってますが、アメリカの魚屋でイエローテイルと云うとレッドスナッパーの尻尾の黄色いやつを指したりしますね。
 
 BARRACUDA (バラクーダ)
日本でもバラクーダの名前で出回っている、1〜2メートル位のドデカい魚でカマスの一種だそうです。くせのない白身魚ですが、小骨が多いので切り身で出回ることも少なく、大抵すり身の状態で使われているそうです。
 
 BLUE FISH (ブルーフィッシュ)
16インチ(40センチ)位の大きさで、脂のとても乗った魚です。アジ、サバの一種だそうです。調理法はサバと同じように、酢締め、焼き、煮ものが合うと思います。 東海岸では夜釣の対象魚になってます。
 
 BUTTER FISH (バターフィッシュ)
イボダイ若しくはウボゼの一種ですが、日本のものと比べるとだいぶ小ぶりです。30センチ位の日本のイボダイに対して、このバターフィッシュは10〜15センチ位の大きさです。新鮮なものは酢締めに出来ますが、塩焼き、バター焼き、煮つけなどが美味しいです。
 
 COD (鱈)
タラです。CAPE COD(ケープコッド)って場所がボストンの近くにありますよね 。日本語で云うと、いきなり演歌調な「たら岬」になるんですが、昔はこのコッドがニューインランド地方でわんさかと釣られてたそうです。

このコッドにも色々な種類がいますが、マーケットで「COD」の名前で売られているものは、日本のマダラであるATLANTIC COD(アトランティックコッド)とPACIFIC COD(パシフィックコッド)をはじめとして、スケトウダラのPOLLOCK(ポロック)、型の小さいHADDOCK(ハドック)などです。マダラの若いものはSCROD(スクロッド)と言う名前で売られてる場合もあります。

ハドックはヨーロッパでは、大抵スモークにされて市場に出回るようで、イギリスでハドックと云うと「スモークしたハドック」のことを表すそうです。

鮭の様に川を上る習性のあるTOMCOD(トムコッド)と云う、型の小さいコッドもいますが、これは主に釣りの対象魚でマーケットでは見かけませんね。

生ダラは冬場に出回るのみですが、塩ダラは一年中見かけます。アメリカではこの塩ダラと根菜を一緒に炊いたりします。生のものはどんな調理法でも美味しく食べれます。
 
 CROAKER (クロッカー)
クロッカーは日本で云うグチのことです。淡白な味の白身肉を持つ魚です。中華風に野菜をたっぷり乗せて蒸したものが好きですね。
 
 FLOUNDER (フラウンダー)
カレイの一種です。アメリカの寿司屋などではヒラメとして出されてますが、見ためも味もカレイの方に近いと思います。色々な種類のフラウンダーがいますが、その殆どの種類がマーケットで「フラウンダー」又は「ソール」と云う名前で出回っています。ソールについてはSOLEの項目を御参照下さい。

一般的に一番良くマーケットで見かけるフラウンダーはYELLOWTAIL FLOUNDER(イエローテイルフラウンダー)と云う種類です。日本のヒラメには劣るもの、きめの細かい白身の肉は美味しいですよ。火を通した方が味が出るので煮たり、焼いたり、唐揚げに良くします。勿論新鮮なものでしたら生食にも出来ます。

SUMMER FLOUNDER(サマーフラウンダー)はフラウンダーと呼ばれるものの中では一番大きな種類で、3フィート(約1メートル)くらいにまで育つそうです。大抵マーケットではフィレの形の切り身で売られています。

サマーフラウンダーは、別名をFLUKE(フルーク)と云います。昔、日本の魚の本を読んだときに、フラウンダーはヒラメ、フルークはカレイである、と云う説明が載っていたと思うんですが、オレが見たところ、日本のカレイに近いのはSAND DAB(サンドダブ)と云う種類や、日本で云うアカガレイの一種PLAICE(プレイス)だと思います。これらの煮つけはウマいですよ。
 
 GROUPER (グルーパー)
日本で云うハタの一種だそうです。身は白身で、火を通すとモチモチ、ホロホロとした食感があります。焼きよりも蒸したり、煮たりすると美味しい魚です。
 
 GURNARD (ガーナード)
ホウボウの一種の魚です。ホウボウの胸ビレを2〜3倍大きくした様な外見です。マーケットにはあまり出回りませんが東海岸では良い釣りの対象魚です。生のものを調理すると「ギーギー」と鳴くので、少しつらいですね。唐揚げ、天麩羅や煮つけが良いです。
 
 HAKE (ハイク)
ハイクは日本でメルルーサと呼ばれる魚でスケトウダラそっくりの見た目をしています。肉も柔らかい白身でタラに似ているために良くスーパーマーケットではタラとして売られていたりしますね。
 
 HALIBUT (ハリバ)
日本では、藤村俊二と共に、おひょうと呼ばれるバカでかいカレイの仲間です。全長6フィート(約2メートル)、体重450パウンド(約200キロ)くらいのものもいるそうです。オーッ、ジャイアント馬場並みですね。ステーキにしてレモン醤油で食べると美味しいですが、身が締まっていて、脂肪の少ない白身の肉なので火を通し過ぎると固くなります。
 
 HERRING (ヘリング)
ニシンの一種です。この魚もアメリカで良く食べられてる魚ですね。スーパーマーケットで生のヘリングを見かけることはあまりないですね。そう云えば、アメリカの魚市場で生のヘリングを見かけてもカズノコが腹の中に入ってたことは一度もないですね。これも塩蔵にされて日本に送られてるのかなぁ。スーパーマーケットでは加工されたヘリングが良く売られています。SMOKED HERRING(スモークドヘリング)と呼ばれる薫製のもの、PICKLED HERRING(ピックルドヘリング)と呼ばれる酢漬けになったもの、HERRING IN CREAM(ヘリングインクリーム)と呼ばれるサワークリーム漬けのもの、薫製のヘリングを缶詰めにしたものはKIPPER SNACK(キッパースナック)と呼ばれていますね。
 
 JACKFISH (ジャックフィッシュ)
日本で云うアジの種類ですが、マアジやムロアジなどでなく。シマアジやメアジに近い種類だそうです。アメリカ本土のスーパーマーケットでこの魚を見かけることは少ないですが、ハワイでは良く売られてるそうです。
 
 MACKEREL (マッカエル)
普通にスーパーマーケットに売っているマッカエルは、日本のサバと同じ種類だそうです。他にSPANISH MACKEREL(スパニッシュマッカエル)と云う体に薄い黄色の斑点を持つ、サワラを小さくした様な種類のものもいます。

アメリカでは塩をふったマッカエルをグリルして食べることが多いですね。アメリカでも日本でもサバは塩焼きにするのが一番。
 
 MAHI MAHI (マヒマヒ)
名前が好きです。マヒマヒ。ハワイの現地語だそうです。英語名はDOLPHIN FISH(ドルフィンフィッシュ)又はDORADO(ドラド)とも呼ばれますが、聞こえが悪い為に最近はどこでもマヒマヒと呼んでいるそうです。 マヒマヒと云うのはハワイの現地の言葉で「強い強い」と云う意味だそうで、この魚を釣る時の糸の引きが強いところから付けられた名前だそうです。実は、この魚は日本でもシイラと呼ばれ、釣り人の間では糸の引きが強いので人気の魚です。きめの細かい、身のしまった魚で、ムニエルが美味しいです。
 
 MONK FISH (モンクフィッシュ)
モンクフィッシュは鮟鱇(アンコウ)のことです。アメリカでは魚の内臓を食べると云う習慣がないので、アンコウも腹の中はきれいに掃除されており、胃袋もアンキモも入ってません。魚屋曰く「市場に並んでる時点で腹の中にはな〜んも入ってねぇし、そんなもん大事に取っとく奴ぁこの国にはおらん!」だそうです。でも、噂では冷凍や缶詰にして日本に送られてるらしい。
 
 ORANGE ROUGHY (オレンジラフィー)
20年くらい前にニュージーランドからアメリカに輸入されて来た、身が締まって、きめ細かい肉質の魚です。姿はヨロイタチウオの顔にメバルの体を付けた様な姿(分かりづらいと思いますが)で、えらい恐い見た目なので、切り身で普通は売られています。一年中フィレの形の切り身が冷凍で出回っています。適度に脂が乗ってるのでうちでは煮つけにしたりします。
 
 PORGY (ポーギー)
日本で云う黒鯛です。昔、LAに遊びに行った時に魚屋で並んでいるすべての魚を日本語で何と呼ぶかを教えてあげたら、お礼にポーギーの塩焼きを魚屋のおじさんが軒先で焼いて食べさせてくれました。ウマかった。
 
 RED SNAPPER (レッドスナッパー)
日本の笛鯛(フエダイ)の一種です。身離れの良い淡泊な白身の魚でアメリカのレストランでは、焼いたり蒸したりと最もポピュラーな魚の一つです。新鮮なものでも身が柔らかいので刺身向きではないですね。うちでは生姜とネギを乗せて、酒蒸しにします。
 
 ROCK FISH (ロックフィッシュ)
日本のソイやメバルと同じ種類の魚です。ロックフィッシュの種類は250種いると云われてます。アメリカでも5〜6種類のロックフィッシュをマーケットで見かけますが、みんなロックフィッシュの名前で売られてますね。辞典などで調べるとBROWN ROCKFISH(ブラウンロックフィッシュ)やCANARY ROCKFISH(カネイリーロックフィッシュ)など一応種類は別れていました。

この魚の調理法はもう煮つけに限ります。赤ワインと醤油で煮たものもイケますよ。
 
 SALMON (鮭)
とても良い鮭がアラスカやカナダから入ってくるのでこれも多くのレストランで供される魚です。魚市場には色々な種類のサーモンが出回っていますが、スーパーマッケットでは大抵、海の鮭と川の鮭の二種類に分けられているのみです。

海の鮭として良く出回ってるものは、アトランティックサーモンやパシフィックサーモンの他に、日本で云う一般的なサケのCHUM SALMON(チャムサーモン)、日本でマスノスケと呼ばれるKING SALMON(キングサーモン)などです。そして、アメリカのスーパーマーケットで良く川の鮭として売られているのは、LANDLOCKED SALMON(ランドロックドサーモン)と云うアメリカ東海岸の川で釣られる鮭や、日本でギンザケと呼ばれるCOHO SALMON(コホサーモン)などだそうです。

形の大きな鮭は大抵スーパーマーケットでは切り身として売られてますが、日本の様に三枚におろしてから食べやすい大きさに切ってあるものではなく、骨が付いたまま、丸ごとの魚を輪切りにしてます。

近くの川で釣りをしていたオジさんがいたので「成果はどうかなぁ」と横に置いてあったバケツを見ると、その中に真っ赤なスジコが二本。「おじさん、これは...エサ?」「ああそうだよ」「どこで買ったの?」「買ったんじゃないよ。家から持ってきたんだよ」「そうかぁ...」「ん?欲しいんか?」「ウン、欲しい!」「ホレ」「ありがとう。これは塩蔵なのかなぁ...クンクン(匂いを嗅いでる)」このへんからオジさんは、自分が魚のエサで人間まで釣ってしまっていることに気付き始め...「オイあんた、それを喰う気じゃないよな。それ5年間うちの冷凍庫に入ってたもんだぞ」「...ま、まさかぁ、喰う訳ないじゃないですかぁ、魚のエサを...ハハハ」←喰う気だった。
 
 SEA BASS (シーバス)
シーバスはSEA PERCH(シーパーチ)とも呼ばれる、スズキの一種です。日本の様に成長によってフッコ、セイゴなどと名前が変わることもなく、ずーっとシーバスです。 旨味のある白身魚でどんな調理法にも合いますね。有名な料理にロブスターのすり身と一緒にパイ包みにして焼いたものや、数種のハーブをちりばめて丸ごとローストするものがありますね。
 
 SHAD (コノシロ)
SHADもしくはAMERICAN SHADの名前で東海岸を中心に出回っている魚です。ニシンの一種で、日本の魚で一番近いものはコノシロですね。この魚、アメリカではホントに古くから食べられていまして、オレの持っている1830年の料理本にもこの魚のレシピがのっています。中でも珍しいのはシャドの卵を使った料理ですね。アメリカで魚の卵を使ったレシピってこのシャドのものしかまだ見たことないです(あ、もちろんイクラやキャビアを使ったものは色々ありますけど)

鮭のように川を登る魚で、POOR MAN'S SALMON(ビンボー人の鮭)などと呼ばれたりもします。で、このSHADが川を登るとニューヨーク州やコネチカット州の人々は「あぁ〜もう春が来たのだなぁ〜、のほほ〜ん」となるそうです。のほほ〜ん。
 
 SHARK (シャーク)
良くMAKO SHARK(マコシャーク)と云う名前でも売られている鮫(サメ)のことです。良くステーキにして食べられてます。モチモチした食感の肉で少しアンモニア臭いです。
 
 SKATE (エイ)
エイです。ヒレの部分だけをカットして売られてることが多いです。ま、顔を見ちゃうとチョット引きますからねぇ。うちではこれの煮凝りを良く造ります。
 
 SOLE (ソール)
舌平目です。アメリカでは舌でなく靴底です。でも、実はアメリカでは舌平目は捕れないそうで、マーケットに出回っているLEMON SOLE(レモンソール)やGRAY SOLE(グレイソール)、DOVER SOLE(ドーバーソール)などは日本やヨーロッパのものと違ってフラウンダー(カレイ)の一種です。でも身が柔らかい美味しい魚ですよ。フラウンダーながらも舌平目に近い味の魚を選んでいるのか、やっぱりムニエルにすると美味しいですね。
 
 SMELT (スメルト)
スメルトは日本の公魚(ワカサギ)の一種です。冷凍で一年中出回ってます。唐揚げや天婦羅、フライなど揚げて食べると美味しい魚ですね。
 
 SWORD FISH (スウォードフィッシュ)
海の王者、松方弘樹の永遠のライバル、カジキマグロです。メカジキの方です。スーパーでは大抵ステーキ用にカットされて並んでいます。シンプルな味付けのステーキがやはり一番美味しい食べ方ですね。
 
 TILE FISH (タイルフィッシュ)
日本の甘鯛、グジの一種です。見た目は日本のシロアマダイに似ていますが体に黄色い斑点があります。柔らかく見離れの良い白身魚です。白味噌漬けにしたりします。
 
 TUNA (ツナ)
マグロです。日本のクロマグロには劣るものの、近海で獲れるALBACORE(アルバコア)やYELLOWFIN TUNA(キハダマグロ)の新鮮な刺身はとてもウマいです。アメリカでマグロの料理と云うと大抵ステーキかツナサラダです。
 
 WHITING (ホワイティング)
タラの一種の魚で、日本ではミナミダラの名前で出回ってます。少し前までは殆どカニカマの材料にされていましたが、最近は加工されてない状態の物が良く市場に出回ってます。