HERB - 香辛料


リスインの裏庭に小さな自家製ハーブ園があります。毎年バジル、タイム、オレガノ、ローズマリー、ミントなどを植えるのですが、年によって良く育つものと、そうでないものがあります。去年ローズマリーが上手く育ったかと思えば、今年は「すんません、今年はダメですわぁ、何かやる気でえへんのです、ワシ」てな感じでヒョロヒョロだったりします。自家菜園て難しいですね。それでも自分で育てたものは買ったものより何倍か美味しいですよ。
 アメリカ人はハーブと肉の合わせ方がとても上手です。同じ種類の同じ部位の肉でもハーブを色々組み合わせて風味の違う料理を作りますね。
 日本人は魚を良く食べますし、日本で我々が食べる魚などは、何十種類も違う種類の魚がいて、それぞれに味の変化があるのですが。アメリカ人が主に食べているのは肉で、種類は鶏牛豚の三種類中心です。この三種類を飽きることなく、毎食、違った味で食べさせるためにハーブの使い方は発展してきたのだと思います。



 
 ALLSPICE (オールスパイス)
クローブ、シナモン、ナツメグを合わせた様な香りを持つハーブです。見た目は黒コショウそっくりですが、辛みはありません。肉料理に良く使われます。
 
 ANISE (アニス)
甘い香りを持つハーブです。世界で一番歴史のある調味料の一つで、昔はパンを焼くときに一緒にこねていたそうです。良くSAMBUCA(サンブッカ)とかPASTIS(パスティス)とかの酒用のハーブや、リコリスなどの飴用のハーブとして使われます。野ウサギなどの野生動物を調理するときの臭み消しとしても使われますね。
 
 BASIL (バジル)
バジルの香りはいいですよねぇ。アメリカではバジルと云うよりベイズゥルって感じで呼んでます。普通マーケットで見かけるバジルは緑色をした、SWEET BASIL(スイートバジル)です。スイートバジルはトマトととても相性の良いハーブです。バジルの和名はメボウキと云うそうです。これはバジルの種を水に浸すとゼリー状に膨らみ、昔はそれを目のゴミをとる漢方薬として使ったからだそうです。

その他、紫蘇の様な見た目のPURPLE BASIL(パープルバジル)も時々目にしますね。コリスインでは、薄切りにした豚肉をフライパンで炒めて、火を止める寸前に刻んだパープルバジルをサッとまぶしたものを良く作ります。
 
 BAYLEAF (ベイリーフ)
ベイリーフは日本で月桂樹の葉と呼ばれるもので、スープ、シチューや煮込み料理に香り付けとして使われます。たまにローレル(フランスではローリエ)とも呼ばれますが、これは月桂樹全体を指す言葉です。

ある冬の日、友人の家でカレーを食べさせてもらった時の話です。カレーをよそいながら友人が「おいら、こないだ女の子んちでカレー食わせてもらってさぁ。カレーん中に何か口にさわるもんがあったから出したらコレが葉っぱでさぁ。なんでも臭みを取るために入れるんだと、葉っぱをさ。オッシャレだよなぁ〜」オレは、出来上がる前に取り出してるだけで、うちのカレーにも、その葉っぱは入ってるんだけどなぁ、と思いながらカレーを食べてると、何か口にあたるものが...取り出すと葉っぱでした。「な、オシャレだろ!」「この葉っぱ、何かテカテカしてるんだけど...」「オ〜、家の前に生えてるツバキの葉っぱだぁ」「月桂樹じゃないんかい?」「月桂樹...って酒か?酒は入ってねえぞ。隠し味は、そのツバキの葉だけだぁ。」「そうか...風流だな」「だろぉ」
 
 SELERY SEED (セロリシード)
セロリの種です。適度の苦味と強いセロリの香りをもっています。南部ではこれをコールスロー(マヨネーズやドレッシングで和えたキャベツのサラダ)に入れますね。

オレはセロリが好きです。オレはビールも好きです。その昔ビールを作った時にホップの代わりにこのセロリシードを入れてセロリビールを作ってみたことがあります。セロリの香りが口中に広がるビールでした。誰もが一口で飲むのを止めていました。結局18リットル一人で飲むはめになりました。
 
 CHILE PEPPER (チリペッパー)
チリペッパーはHOT PEPPER(ホットペッパー)とも呼ばれる、日本で云う唐辛子のことです。

唐辛子を細かく引いたものをCAYENNE PEPPER(カイエンペッパー)と云う名前で売ってます。元々これはカイエンと云う種類の唐辛子を引いたものだったのですが、今では普通の唐辛子を引いたものや、数種類の唐辛子を引いて混ぜたものまでカイエンペッパーと呼ばれてます。

荒く砕いた唐辛子はCRUSHED CHILE(クラッシュドチリ)の名前で売られてます。ピザ屋のテーブルに良く置いてあるやつですね。

CHILI POWDER(チリパウダー)はメキシカンチリパウダーとも呼ばれるもので、粉末にした唐辛子、オレガノ、クミン、パプリカ、黒胡椒、クローブ、ガーリックパウダーなどを混ぜたものです。
 
 CHIVE (チャイブ)
日本で云う浅葱です。ジャガイモ料理に良く使われてます。
 
 CINNAMON (シナモン)
アップルパイやドーナツなど、主に焼き菓子の香り付けに使われるハーブです。スティック状のものと粉状のものがありますね。
 
 CLOVE (クローブ)
甘い香りを持つハーブです。つぼみの状態のものと粉末のものがあります。肉料理やお菓子に使われる他、ホットワインに浮かべたりします。
 
 CORIANDER (コリアンダー)
シアントロ、香菜の実です。独特の強い香りを持つこのハーブは主に乾燥したものを粉末にして、ソースやスープに使います。
 
 CUMIN (クミン)
クミンはカレーのあの香りの元となってるハーブです。肉料理に使われることの多いハーブです。
 
 DILL (ディル)
種も葉っぱもドレッシングや冷たいソースに混ぜます。野菜だけでなく魚など各種ピクルスに良く使われます。ディルは火を通すと味と香りが飛んでしまうので、生でも乾燥でも暖かいソースに使うときは調理し終わる直前に混ぜるようにしています。
 
 GARLIC CHIVE (ガーリックチャイブ)
日本で云うニラです。
 
 MARJORAM (マジョラム)
一般的にマジョラムとして売られているのはスイートマジョラムと云う種類のものです。その他にもワイルドマジョラムと云うのがありますが、これはオレガノのことです。マジョラムの方がオレガノに比べて、少し香りが柔らかいです。両方とも何にでも使えるスパイスですがトマト料理に使うことが多いです。昔から車酔いに効くとも云われてますね。
 
 MINT (ミント)
アメリカで一般的に見るミントは、日本で西洋ハッカとも呼ばれるPEPPERMINT(ペパーミント)と緑ハッカと呼ばれるSPEARMINT(スペアミント)ですね。この二種のミントの違いはペパーミントがメントールを含んでいるのに対してスペアミントはそれを含んでないことです。
 
 NUTMEG (ナツメグ)
ナツメグは日本でニクヅクとも呼ばれるハーブで、挽き肉料理の匂い消しやジャガイモ料理、お菓子などに使われます。MACE(メース)と云うハーブはオレンジ色したナツメグの皮を乾燥したもので、軽いですがナツメグと同じ香りを持ってます。このハーブはお菓子に良く使われますね。
 
 OREGANO (オレガノ)
マジョラムを参照して下さい。
 
 PEPPER (胡椒)
アメリカでペッパーと云うと、この胡椒と唐辛子、そして日本で云うピーマンのことまでを表します。なので、初めてアメリカのの中華料理店で胡椒味のステーキだと思って、ペッパーステーキを注文したら「チンジャオロース」が出てきたという事を50%以上の海外在住の日本人はやってますね(コリスイン内調べ)

日本で胡椒と呼ばれるペッパーの種類は四つ。

BLACK PEPPER(ブラックペッパー)は黒胡椒です。ブラックペッパーは、胡椒の実が熟しきらないうちに摘み取って乾燥させるそうです。胡椒の中では一番味と辛みが強いです。

GREEN PEPPER(グリーンペッパー)は、胡椒の実がまだ青いうちに摘み取って乾燥させたものです。辛みは弱く、果物っぽい味が少ししますね。

WHITE PEPPER(ホワイトペッパー)は、胡椒の実が完全に熟してから摘み取り、何日か塩水に漬けてふやけたカラを外した中身を乾燥させたものです。辛みはブラックペッパーと比べると弱いです。

PINK PEPPER(ピンクペッパー)は、実は上の三つの様な胡椒の実でなく。HOGWEED(日本ではブタクサと呼ばれてます)と呼ばれる植物の一種の実だそうです。味は軽いですが、辛みはしっかりありますね。
 
 ROSEMARY (ローズマリー)
ローズマリーの香りが好きです。野菜料理に良く使われるハーブですが、うちではローズマリー茶にして飲むことが多いですね。臭み消しのために肉料理に使われることもあります。
 
 SAFFRON (サフラン)
小学生の頃、クロッカスって花を球根から育てたことありませんか?サフランはそれのめしべを乾燥したものらしいです。独特の香りを持ち、水に入れると鮮やかな黄色を発するハーブで、主に魚や鶏肉料理に使われます。フランスの魚の煮込み料理ブイヤベースやスペインの魚介のまぜご飯パエリアの黄色はこのサフランの黄色です。
 
 SAGE (セージ)
セージは白く細かい毛で覆われた葉で、サルビアの仲間です。薬用効果も高く、昔は「庭にセージが生えている家庭は病気知らず」などとも云われていたそうです。実際オレなんか腹の調子が悪い時に生のセージを食べたりしますが、結構効きますよ。普通は肉料理に使われるハーブで、特にソーセージを作る時には欠かせません。トラウト釣りのシーズンになって、大量に釣れた時など、内臓を取り除いたトラウトの腹にセージを詰めて薫製にします。旨いですよぉ。
 
 STAR ANISE (スターアニス)
中華料理に良く使われる八角です。大うちでは東南アジア風のスープを作る時にカルダモンと共に使ってます。ベトナム料理のフォーのスープですね。アニスの代用として野生動物の臭み消しに使われたりします。
 
 TARRAGON (タラゴン)
タラゴンはESTRAGON(エストラゴン)とも呼ばれるハーブで、ほろ苦くアニスと同じ様な少し甘い香りを持っています。よもぎの一種ですが、日本での栽培は難しいので生のものは殆ど手に入らないそうです。ドレッシングや冷たいソースに使う他、白身の魚やターキー、鶏のむね肉など淡白な味の肉に良く使います。
 
 THYME (タイム)
良く見かけるタイムは二種類です。一つはCOMMON THYME(コモンタイム)もしくはFRENCH THYME(フレンチタイム)と呼ばれるもので、一般的にタイムと云う名で売ってるものはこれです。主に肉料理に使われるハーブで、防腐効果もあるそうです。

もう一つはLEMON THYME(レモンタイム)と呼ばれるもので、レモンの香りを持ったハーブです。火を通し過ぎると香りが飛んでしまうので、料理の最後に散らしたり、冷たいソースやドレッシングに混ぜたりします。このハーブは肉料理のみでなく、野菜や魚料理にも合いますね。
 
 TURMERIC (うこん)
TURMERIC(ターメリック)はカレー粉やたくあんの黄色の色付けに使われます。生のターメリックの見た目は生姜の色を濃くした感じです。殺菌作用があるそうです。